息をするように、読書と映画。めずらしく映画についての感想を。(ブログ初だった)
ナイト・シャラマンへの一般的評価
先週、M・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』を観ました。TVCMはされていたが、もともと上映する映画館が少ないうえシャマランだから早めに打ち切りだろうなあと思ったので。
シャマランだからっていうのはそのままで、いつでも賛否両論なのがM・ナイト・シャマラン監督なんですよ。ファンもアンチも多いと言われていはいますが、私はファンに出会ったことない。どこにいるの?
シャマランといえば、『シックス・センス』(1999)。結構有名&好評価作品なので、映画館には行かなくてもTVで観たことある!って人も多いと思います。
しかしこの作品は、極めて初期に作られたもの。『シックス・センス』でファンになった人は、同じようにワクワクさせてくれよー!と次の作品を観るわけですが毎度裏切られ、今度こそ今度こそ頼むぞシャマランよオレはお前を信じているからなと期待しつつ、そろそろ20年というわけ。
出典: Wikipedia
そして今公開されているのが、『スプリット』。
その評価は・・・。
出典: Wikipedia
やっぱり・・・、今回もダメだった。とのことです。
すっかり、駄作続きの一発屋扱いになっております。
私の好きな作品への評価
シャマランで好きな作品を3つ選ぶとしたら、『シックス・センス』は入れておこうかな。私も大泣きしたし。
それと、『ヴィレッジ』(2004)。
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↓こっちのポスターのが、わかりやすいかな。
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とっても良くできていて、せつない悲しい映画。
それとそれと、『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006)かな。
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もうね。登場人物の全員が一生懸命なんですよ。がんばれがんばれ!と観てしまうのです。そして、バサっとすべてを断ち切る終わり方も大好きです。いつ思い出しても、トリハダが止まらない。
この2つは外せないなーと思いました。特に後出『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、自分のTop10に入る勢いで大好きです。
そして。実は私、昔から映画に関わらず人の目というのをあまり気にしないようなので(自覚はなかった)、今回初めてこの2つの映画についての世間の評価を見てみました。そうしたら。
なんと。
両方とも、めちゃくちゃひどかったわけです!!えっ、なんで?
特に私の好きな方である『レディ・イン・ザ・ウォーター』に対しては大変なことになっていて、
大きな対抗馬的作品も無く、ミステリー映画に相応しいとされる秋に公開された作品にも関わらず興行収入は伸び悩み、シャマラン監督の作品では最低の記録となった。これは、過去の作品に比べると大きなオチも無かった事で、評論家に相当叩かれたことが影響した。
そのこともあってか第27回ゴールデンラズベリー賞の最低作品賞他全4部門にノミネート、最低監督賞・助演男優賞(シャマラン本人)の2部門受賞という結果となった。
出典: ウィキペディア
マジで。
ひでーな、なにコレ。ラズベリー賞というのはアカデミー賞のま逆である、最低映画に贈られる賞なんですが。これを受賞してたとは知らなかった。シャマランって必ず自分の作品にチラと出てしまうから、その辺を嫌がる人もいるんだけどヒチコックだってそうだったし、ダメかね?
・・・ダメだったんだなあ。
100点中5点(50点ではない)、という一般の人もいました。
(′ – ′)フーン。
最新作『スプリット』について
まだ公開したてではありますが、やっぱりというべきか世間からは酷評です・・・。
そして、私の感想はというと、とても良かった。わけです。(セオリーどおりか・・・。)
ここからはネタバレもありますが、観る方はいないだろうなあということで書きます。
映画『スプリットは』とても驚かせてくれる、また、とても悲しい映画です。さらに元気までもらい、明日から自分もがんばろう!と思った作品でした。
驚かせてくれたのはどこかというと、例えば。
主人公は23の人格を持つというのがウリなので、そのいくつかが登場するだろうことを映画の観客は知っている。
作品には何人かの登場人物と、部屋が出てきます。
映画や本が好きな私は、うーんこれは、人物すべてが主人公ひとりの中の人ってことで、家屋は脳全体の象徴、部屋はひと人格っていう表現?と。よくあるやつだよね、と。
このときうっすら、あー、もしそうなら私もシャマラン地に落ちたって思っちゃうかもよと思いながら観ている。
そしたらね、そうではなかったわけ。ちゃんと、登場人物は実在していたわけです。
これは嬉しかった。十分に良い裏切りでしたよ。
そして、何が悲しかったかというと例えば。
主人公が多重人格者になってしまったのは、幼少の頃に原因がありました。
実は、多重人格のみならず、ものすごい能力を身につけてしまうことになる。しかし現実にそんな力を持っている人は存在するはずがないので、多くの人はここでしらけてしまうのかもしれない。
私はというと、子供の頃にそれだけ辛いことがあったのだ、逃げ出すこともできずに、そこまでしなければ生きていけなかったのだ、そんな想像もできないほどの苦しみを背負っているのだと観ていて涙が出てしまったわけ。
さらに、自分もがんばろうというのは例えば。
もうひとりの主人公は女子高生ケイシーなんだけど。小さい頃に家族をなくしたせいか周囲からは変わり者扱い。大好きだった父親との子供の頃のシーンが度々はさまれ、そのときの父の教えでこんなサバイバルができるとわかる。
しかしいくらサバイバル能力があるとはいえ他の2人の女子高生同様、ケイシーも死んじゃうんだろうなーという最後の瞬間、ある理由から助かります。この理由が悲しすぎてもう、また涙が出て大変。
そしてケイシーは、終盤に無事警察に保護されます。現場に止められたパトカーに乗せられ茫然自失とするケイシーに、心配した婦人警官がパトカーの窓越しに「大丈夫?」と声をかける。
このときのケイシーの表情が。
ついにケイシーは、戦うことを選んだのだとわかる。自分はもう人生から逃げない、やってみよう、一歩踏み出そうという決心に、不安と恐怖が入り混じった複雑な表情。本当に本当に、ケイシーがんばれ!負けるな!と思うわけです。気持ちは号泣レベル。
人生から逃れなかった主人公と、逃げていたもう一人の主人公の対比。すばらしいではないですか!大興奮です。
・・・なので、シャマラン復活というか、復活もなにも私にとっては前から落ちてなかったので、シャマランいいじゃなーい、今度は世間も褒めてくれるかもよ?!って思った。
でも、やっぱりダメだった。がっかり。
でもでも、私はとってもよかったし、また次も期待して観に行くから、今の調子でこれからもがんばってねって思いました。
しかし、人に勧められる映画かというと、うーんやっぱりそれはできない、と思ってしまうのですが・・・。
ごめんね、シャマラン。
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