実際の資料を改善してみますよ。内閣府の方、いつもお世話になっております。
ビフォー・アフターはリアルが一番
それでは早速、資料を見てみましょうか。
さてみなさん、どんな印象を持たれますかね?
私はどんな風に感じたかと言いますと、
「あ~、背景ですかー。(ぐるっと見回して)・・・なんかグラフがあるね」
です。以上!
みなさんはどうでしたか。私と同程度かな?それとも、テキストを読んだり、グラフを読み取ろうとした方もおられるかな。
その場合、読み取るのは簡単だったかな?
この資料の良い所、いっぱいあるね
まずは①シンプルなところですよね、デザインも内容も。情報が特盛りではない。余白がありますよ。すばらしいことです。だいだいの場合、盛っちゃうからなあ。(その気持ちも十分わかりますが)
そして、②決められたフォームを活用されているところ。すばらしい。時短にもなるし、複数ページの場合は相手が見やすいです。自然と、レイアウトを学習してくれるからね。
さらに、③表現に工夫をされているところ。セオリーどおり、全体構成ではまず「背景」を持ってきている。そしてこのページで見ると、文字だけではなくグラフを使っていますよね。すばらしい。
まとめると
①情報量は普通盛り
②フォームを利用
③適切な表現を選択
以上の理由から、これから話してくれることの背景を言ってるなと相手に伝わります。
資料のマナーを守られているという印象です。えらい!
この資料の改善点は・・・
マナーは十分。でも資料は、マナーを守っているだけでは不十分です。
なぜでしょう。
マナーと、自分が何を言いたいかは別物だからです。
伝えるためにマナーが必要なのはご存知で、マナーを守ることには努力されている。でも一番肝心な、相手が知りたいことを伝える努力をしていないです。
えっ!
そりゃヤバイね。
だから相手は、
あー、背景なんですねという印象しか持ちません。具体的に、どんな背景があるのかは伝わらないのです。
まさにそう伝わって欲しくて作ったのならば、大成功ですが。
・・・でもたぶん、そうではないですね。
ですから、答えは簡単。伝えたいことを言い切ればOK 。単純です!
これをしないと、相手には何も伝わらないですよ。マナーが良いだけでは、絶対に契約はとれないです。
改善例のご紹介
ご自分で、ちゃんと結論を出しておられます。ここ重要。世の中に結論を出していない資料の、なんと多いことか。
ご自分でわかっていないことが、相手に伝わるはずがないですよね。自分の思い通りの道を、相手が選んでくれるわけがない。
なので、言いたいことが決まっているのはすばらしい。
ただそれを、パッとみてわかるようにしよう。相手が誤解をしないように、そしてストレスを与えないように。
このページは背景ですから、全体の序盤ですよね。始まったばっかで相手にストレスを感じさせてしまっては、アウトですよね。メインの情報に行くつく頃には、ぐったりでしょう。
そのあたりを実感として持てると、強いですよね。相手の嫌がることはしない、ということです。
この資料が言いたいことを知りたい場合、がんばって文字を読めば書いてあります。
「橋について書いてある」って読み取れた方、手をあげて!
どんだけいたかな?橋が主役なのにね。
この資料をはじめてみた人には、背景はわかるけど何の背景だかわからないでしょ。
そして、もっとがんばって読み取ると、次の3つがわかる。
①橋が70万もあること
②高度経済成長期が建設のピーク
③95%を市区町村等が管理していること
全部、リード文に書いてありますね。
でもね。リード文は読んでくれませんよ。だいたいにおいて、文字は読まんでくれませんよ。だから、読まなくてもわかるようにしてあげないと。
この資料のように伝えたいことが自分でもわかっている場合は、ささっと次をすませよう。
①ダブリをとる
②ノイズをとる
③言いたいことをもっと強く
特に③について。
「背景」というタイトルは、致命的ですよ・・・。
(でも実際、そうされている方がほとんどだけどね。だからわかりづらい資料があふれちゃう)
タイトルでは、相手に伝えたいことを言ったらいいですよ。
一番伝えたいことは何かな?
たとえば、橋の全体量なら「日本には70万もの橋がある」
橋の建設量の流れなら「建設ラッシュは70年代その昔」
橋の管理担当者なら「95%を地方自治体が管理」
でも本当に伝えたいのは、こういうことではないはず。これは数値という事実。その先がありますよね。
「古い橋が危ないままほっておかれているかもしれない。こりゃマズイ!」。これでしょ。
そこが、この資料の背景部分のメインですよね。メインにつなげる大切なページ。まだ内容は背景、さわりです。相手に読み取らせるエネルギーを使わせたくないよね。
次のページで自治体が管理をしていない、きちんと点検せずにほっておいてるというショッキングな事実を伝えたいなら、ここでは相手にどんな気持ちになって欲しいのか。
たとえばこんな感じかな?
事実を伝える。でも、特に伝えたいところは強くして構わない。というか強くしよう。せっかくグラフにしたんだから、グラフから導かれるメッセージを、相手に読み取らせないこと。
あと半歩、なんですよね。でもその半歩を相手は知りたい。
ならば半歩先を行こう!
いかがかな。
講座でもコツをお伝えしております。いらっしゃいまっせ~
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