著書でお伝えしたかったのは、ターゲットを設定してデザインすることです。 トップの画像は、仮で作っていた表紙案です。涼しげね。
前回、デザインとはなにかを設定しました。次にすることは?
参考:
https://314-store.com/blog/まねるだけで伝わるデザイン/【まねるだけで伝わるデザイン】デザインとは何/
情報収集から抽出への工程
デザインの工程は、次のとおり。
①ごちゃまぜ
②抜き出す
③そろえる
④メリハリ
①は情報収集、②は①からの抽出です。慣れていないと②が難しいかも。よくあるのは、②を抜かすこと。集めたことを全部、情報として与えてしまうのです。
ズバリ、それでは伝わりません。
そんなこと初めて聞いたという人は、ラッキー。是非、情報全体から重要なものを抜き出してみてください。大事なことに優先順位をつけていけばOK。シンプルです。
一方、難しく感じている経験者も少なくない。情報が多すぎて問題だと思っているにも関わらず、一向に減らせない。何十年も前から、よく相談を受けています。
減らせない主な理由をあげてみますよ。
①せっかく集めたのだから全部伝えたい
②いろいろな人が見るのだから情報が多い方がよい
③自分は減らしたいけど上司がダメだと言う
④とにかく載せていれば読む確率が上がる
ひとつずつ、説明します。
①せっかく集めたのだから全部伝えたい
情報収集は大変ですよね。でも思い出してみてください。配布された資料が100ぺージ越えだったからと、嬉しくて飛び上がったとがありますか?
たいていは「え~、多すぎる!」と辟易することでしょう。果敢に読んでみるも、最初の数ページで投げ出してしまう。読まなくちゃと思うけど、全然頭に入ってこない。
自分ができないことは、人もできません。そりゃそうよ。情報の価値は、量ではありません。
その昔、小学生のときの自由研究で、調べたことを猛烈に小さい字で模造紙にビッチリ書いた真面目な子がいました。同級生は、「教科書を丸写しだ」と責めた。
ある同級生は、その情報量に驚いて「ズルい」と言いました。量が価値だと思っていたのです。たくさん書けば誰だって点数が良くなるじゃないか、と。
実際の内容は教科書の丸写しではなく、ちゃんと図書館で丁寧に調べたものでした。真面目だからね。でも、誰も読んでくれてない。
これは、大人になっても同じです。
情報がたくさんあると、相手は量だけを見て中身は読みません。たとえ読まなければいけなくても、ストレスで読めないのです。量は価値にはなりません。それどころかマイナスです。
なぜかというと、大事な情報が埋もれてしまうから。全部伝えても、受け側が拒否したり誤認知します。どうでもいい情報に惑わされてしまう。
たくさん調べたことを褒めて欲しい? それは、小学生時代でさようなら。
②いろんな人が見るのだから情報が多い方がよい
これも良く耳にする理由。
「情報は多いほどよい」は間違いと、上記①で説明しました。減らさなければならないのはわかってる。でも、いろんな属性の人がいるんだから、それぞれに対応するとどうしても増えてしまうと。
わかります。経験者ならではのお悩みと思う。しかし何度もしつこく言いますが、
情報が多すぎると読まれない。
これがなによりも強いのです。人としての、さだめ。笑
じゃあ、どうすれば減らせるの。
その答えは単純です。対象を「いろんな人」にしなければ良いのです。
自分の持っている全ての情報を、全ての人が同じように必要とするわけがありません。しかし、ある属性の人は、ある情報に価値を見出します。だから、その人たちに向けて情報を発信すればよいのです。
このあたりも重要なデザイン項目なので、著書でも何度も書いています。
246ぺージでは、属性の説明をしました。スポーツに関する注意事項であれば、初心者とプロ、観戦するだけの人とでは、必要な情報がまったく異なると。
誰に向けて伝えてる情報なのか、はっきりさせましょう。それ以外の人は見向きもしなくて良いのです。
様々な人が手にする資料だから、いろいろな情報を載せるのが親切? いいえ、違います。本当に親切なのは、情報を必要としている人にだけ伝わる資料を作ることです。
いろいろな人が手にするシーンに対応するには、まず手にさせられた人に(ポストに入ってた、会社での全社送信など)、自分に関係あるかどうかわからせること。
対象者でない人は「あ、自分には関係ない」と思ってくれれば、みんなハッピー。
じゃあ、どうやって減らすのよ。
それこそが、「相手目線で見る」ことなんです。
つづきます。
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