昨年秋、ポーランドに行ってきました。まずは、お世話になったポーランド人のみなさんについて。

 

 

今回のポーランド旅行では、今までの他のどの国よりも一般のみなさんに助けてもらいました。まずはお礼もかねて、そのお話を。

 

 

gOOGLEにはお世話になっております

いい歳をして人見知りなこともあり、また元来内向的。人に相談する、というのが苦手です。さらにはボーッとしているというかいつでも他のことを考えていたりで、東京でもどこでもすぐに迷子になってしまいます。子供の頃から。

で、お母さんいない!と気づいたとたん、気が小さいもんだからすぐに「ぎゃー」と大泣きです。そして、周りの大人に助けてもらうという。学習しない子供でした。ろくにお礼も言えないし。

子供の頃はそれでも許されましたが、ボンヤリはいつまでも治らず。相変わらず学習はしていないが、Googleっていうのが突然どっからか登場してきて大人になった私を救ってくれ、知らない街でもとりあえず歩けるまでになった。でも、Googleが手の中にないと(地図じゃだめ。読めないから)、不安で一歩も先に進めない状態ですが。

 

ポーランドのみなさんとトーキョーとの違い

で、そんな私が海外に行けるのもGoogleのおかげ。いつも本当に世話になっているから、海外でもサクサク操作できるのが笑ってしまいますが。

それでもやっぱり、東京とは勝手が違うこともある。目的地の入力は、英語以外だと案外やっかいです。まずはスペルがわからない。マイナーな場所だと、日本語入力では出てこないし。

例えばクラフク郊外の、ある場所に電車で行ったとき。駅は日本の無人駅のような感じ。ホームの先がゆるいスロープになっていて、そのまま道とつながっているようでした。私たちと同じ駅で降りた人たちがいたので、無意識に後をついて行く。(こうやって、動くものについて行ってしまうので、迷子になるわけです)

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この反対側が道に通じてます。ホームに自転車を止められるよ。いいね!

 

そうしたら、通りがかりのおじさんが「◎%&#△~?」と話かけてきたのです。ん?何かな?ポーランド語のようです。たぶん、どこどこに行きたいの?と聞かれているのだけど、そのどこどこがお互い通じない。

東欧ではよく現地の人に話しかけられるので、東洋人がめずらしいのかなと思いつつ。

おじさん「ソ~?ソ~?」
私「(ソーって、なんだろう。)行きたい所は、え~と、ビエリチカ~、(ってこのあたり全域ビエリチカだよな)」

おじさん「ソ~?ソ~?」(真剣)
私「(なんかあの場所は確か、王様が作ったんだっけか)あ~と、ロイヤル~、」

おじさんのセリフはずっと「ソ~?」だったのですが、諦めちゃったかなごめんねでもありがとうと思っていたらそうではなく、やおらポッケからスマホを取り出して翻訳アプリをすばやく起動。おじさんてか、おじいさんだったのでビックリ!

おじさん「ヤポーニッシュ?」
私「イエスイエス!」そうそう、日本人デース。

おじさんが、翻訳画面を見せてくれました。そこには「塩」の文字。

私「オー、イエスイエス!」

私たちは、ビエリチカ岩塩坑という場所に行きたかったのです。あっ、saltですよねー。そっか、塩って言えば良かったのか。ギャフン。古い。などと、ひとり突っ込みを入れつつも、「ジンクイエ!」と返しました。

道を教えてくれた後、おじさんは笑顔爽やかに手を振って行ってしまわれた。

「ソー」、と聞こえたのはポーランド語で「Sól」=ソルのことでした。ソーならこっちよ、とおじさんが教えてくれた道は、私たちが行こうとしていた道のまったく逆方向。間違えていたらとんでもない方に行くところだったので、あわてて教えてくれたんだと思います。あのときのおじさん、教えてくれて本当にありがとうございました。

「ジンクイエ」というのはDziękuję、ありがとうの意味です。この後のポーランド滞在中に、いったい何回使ったかわかりません。それだけ、いろんな人に助けてもらったということです。ありがたや、ありがたや。

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天井壁も床もシャンデリアも、みんな塩でできてます。世界遺産です

 

ところ変わってワルシャワの駅で

クラフクは京都・ワルシャワは東京、と例えられるように、ワルシャワは本当に都会です。ビルがニョキニョキ。道路の交通量も多くて、車のクラクションも絶え間ない。道行くみなさんも、なんだかセカセカしていました。

ここワルシャワでも、もちろん(?)助けてもらってしまいました。
日本人の評判を落としたらどうしよう。

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ワルシャワの新世界通り。この辺りはあえてクラシックな景観になっています

 

さて、これはワルシャワのある駅でのこと。また駅か。
なんとも今度は、自動改札機に切符がとおらないのです。

東欧ウィーン・ハンガリー・クラクフともに、駅の改札は無人が普通。ハンガリーは別として、切符を係りの人に見せることもありませんでした。各駅の改札も省略されていて、改札あたりのスペースにただの棒が数本立っているみたいな感じ。なのでワルシャワの自動改札がめずらしくて、少しワクワク。切符はちゃんと1日券を買って持っていたので、それを通そうとすると・・・

全然、吸い込んでくれない。あれ、うんともすんとも。
他の自動改札も同じです。で、無人だから駅の係員さんもいません。

やべーな、これは電車に乗れないよと。

困ったがしかしどうしようもないじゃんと思っていたところに電車が着いたみたいで、20代くらいの女の子が改札を足早に抜けてきました。あっ、この子に聞いちゃおう!あっ、カワイイ!

ポーランド人の女性は本当にかわいらしい。アムステルダムに行ったときに、女性も男性もデカくてなんか2メートル位でスケール違うと思ったけれどもポーランド人の女性は体が大きくなく、そしてスリムです。顔も小さくて目はパッチリ。すばらしい。

私「すみません、切符が」通らないジェスチャー
女子「え?ちょっと見せて。・・・あ、これクラクフの切符だよ!ほら、ここにクラクフって書いてある」

私「えっ!?」(え?マジか!どういうこと?)
ポケットをさぐると、ワルシャワの切符が出てきた。同じポケットに入っていて、間違っちゃったのだった!

私「ごめんなさい。間違っちゃった(正しい切符を見せる)」自分でウケてしまって大笑いをガマンの状態
女子「(切符を確かめて)あ、よかった。こっちなら大丈夫」本当に心配している様子

私「ジンクイエ!」
女子「どういたしまして(ニッコリと、その場を立ち去ろうとしながら)・・・他に、なにか困っていることある?」

私「えっ!大丈夫です。本当にジンクイエ」
女子「じゃあね」

返す返すもかわいかったし、偉いなあと。自分だって急いでいるはずなのに、怪しい東洋人におかしな英語で呼び止められても嫌な顔ひとつせず。そのうえ他の都市の切符と間違ったのに、苦笑ひとつせず。さらには、他は大丈夫?なんて。できないよ。フツー。

私もちゃんとしようと思いつつも、次またポーランドに来たら人に頼ってしまうだろうなあと確信している自分もいる。あのときの女子よ、本当にありがとうございました。

まだまだ珍道中がありますので、つづく。mi